令和8年度の3年次編入試験で、東京農工大学と神戸大学の両方に合格した地方国公立大学生です。
今回の記事では、編入試験を受けるかどうか迷っている人に向けて、編入試験のデメリットと、それでも私が編入を選んでよかった理由をまとめたいと思います。
編入のデメリット(知っておくべき現実)
1. 情報が少なすぎる
大学受験であれば、赤本や参考書が大量に出版され、有名な予備校も数多く存在し、ネット上には合格体験記があふれています。
一方で、編入試験は受験者数自体が少なく、メジャーな試験ではありません。そのため、情報量が圧倒的に不足しています。
大学の公式サイトで入手できる過去問は、多くの場合2〜3年分程度しかなく、しかも解答は公開されていないのが当たり前です。さらに、編入試験に特化した勉強法はほとんど体系化されていません。
- 専門科目はどの参考書を使えばよいのか
- TOEICは何点くらい取れば十分なのか
- 面接ではどのような質問をされるのか
こうした基本的な情報でさえ、断片的な情報をネット上で必死に探し、自分でつなぎ合わせながら勉強法を模索するしかありません。
計画を立てるのが苦手な人や、独学では勉強が続かない人は予備校を利用する選択肢もありますが、その場合は相応の費用がかかることを覚悟する必要があります。
私は予備校には通っていなかったため、自分の勉強方法が正しいのかどうか分からないまま、不安と向き合い続ける日々でした。
2. 「確かな情報」は存在しない
先ほど情報の少なさについて述べましたが、たとえ合格体験記を見つけられたとしても、それをそのまま信じて安心できるとは限りません。
たとえば、
- TOEIC600点台で合格した
- GPA1未満でも合格した
といった体験談も存在します。もちろん事実ではありますが、個人的には、こうした特殊なケースを過度に一般化するのは危険だと考えています。
私自身も、
- TOEICはどれくらい取ればいいのか
- GPAが低いと面接で不利になるのか
といった質問をよくいただきます。しかし、正直なところ
「専門科目の点数が高ければ多くの要素はカバーできるが、TOEICもGPAも高いに越したことはない」としか言えません。
私が受験した大学も含め、編入試験では点数開示を行っていない大学が非常に多く、募集要項にも詳細が書かれていないことがほとんどです。
たとえば、
- 専門科目とTOEICの配点比率
- 面接がどれくらい合否に影響するのか
といった点は、実際に受験して感じた雰囲気や、先生から直接聞いた話でしか推測できません。
3. 最難関大学は受験できない(特に理系)
東京一工レベルの大学では、大学生の編入をほとんど受け入れておらず、高専生のみを対象としているケースが大半です。そのため、そのレベルの大学にどうしても進学したい場合は、再受験という選択肢を検討する必要があります。
旧帝大の理系学部では、大学生編入を受け入れている場合もありますが、対象となる学部は限定的です。そのため、「行きたい学部には編入制度が存在しない」という可能性も十分にあります。
文系の場合、たとえば京都大学法学部のように大学生編入を実施している最難関学部もありますが、倍率は10倍を超えることもあり、非常に厳しい戦いになります。
4. 留年する可能性
万が一不合格だった場合、在籍している大学でしっかり単位を取っていないと留年の危険があります。
合格したとしても、
- 編入先の単位認定上限が少ない
- 前の大学で取得した単位数が少ない
- 専攻を変えた
などの理由で留年する可能性は十分にあります。
編入後の留年をできるだけ回避するためには、以下の対策が必要です。
- 単位認定の上限を調べておく
- 編入後留年が確定したケースはあるか、事務に確認する
- 認定されそうな単位をできるだけ多く取得しておく
ただし、単位認定だけを基準にすると自分のやりたい学問とズレることもありますし、単位取得を優先しすぎて編入試験の勉強がおろそかになっては本末転倒です。
自分でうまくバランスを取りながら戦略を練る必要があるので、「とにかく学歴を塗り替えたい」という動機だけで突き進むのは少し危険です。
5. 教職や副専攻は厳しい
主専攻に並行して、教職や副専攻課程を修了することを目指す大学生も多いです。
しかし、3年次編入すると残りの2年間でこれらを履修するのは非現実的になることを理解しておく必要があります。
それでも編入を選んで良かった理由
孤独との長い戦いでしたし、編入後の生活についても不安なことは多くあります。しかし、大学受験のトラウマを克服するために自分の意思で挑戦し、実際に合格できたという経験は、間違いなく私の人生における大きな財産です。
また、5教科7科目の共通テスト対策が必須だった大学受験とは異なり、編入試験は私の得意分野である英語(TOEIC)と化学が評価される試験でした。その点において、自分の強みを活かせる選択だったのではないかと感じています。
すでに1年浪人した私にとって、再受験は金銭面や年齢の面から考えても現実的な選択肢ではありませんでした。
そのような状況の中で、編入試験はリスクを抑えつつ挑戦できる最後のチャンスでした。
過去の失敗やコンプレックスと向き合い、自分の意思で進路を選び直すことができたという意味で、私は編入を選んでよかったとはっきりと言えます。
最後に
「編入試験を受けるべきだ」とも、「デメリットが多いからやめておけ」とも断言することはしません。
ただ、これから進路を考えるみなさんが、冷静に判断するための材料になれば嬉しいです。
そのうえで、「それでも挑戦したい」と思えたなら、編入はあなたにとって必ず意味のある選択になるはずです。


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