令和8年度の3年次編入試験で、神戸大学理学部化学科と東京農工大学工学部応用化学科に合格しました。
多くの編入試験では、筆記試験だけでなく面接も課されます。
特に現在大学に在学中の方にとっては、「面接で何を聞かれるのか」「どう対策すればよいのか」が大きな不安要素ではないでしょうか。
私自身、塾には通わず独学で編入試験に臨み、面接練習も基本的には一人で行っていました。
この記事では、私が実際に行っていた編入試験の面接対策の進め方を、できるだけ再現しやすい形でまとめます。
前提:面接対策で一番大切だと思うこと
面接対策というと、「定型文を作って暗記する」といった方法を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、私自身の経験から言うと、何度も練習して定型文を暗記することが必ずしも最善ではないと考えています。
何度も練習して定型文を暗記するよりも、
- 今までどんなことを学び、
- どんな気持ちの変化があり、
- なぜその大学に行きたいと思ったのか、
- そのためにどんな努力をしてきたのか、
といった内容を自分の中でしっかり整理し、納得して話せるようにすることが、面接突破への近道です。
例えば、
- 学びたい内容と将来の目標が噛み合っていない
- 志望理由が「環境が良さそう」「有名だから」で止まっている
- 今の大学でできない理由が曖昧
この状態だと、追加質問で詰められたときに話が破綻しやすく、しどろもどろになります。
面接では、「話し方のうまさ」よりも、ストーリーの筋や根拠の厚さを意識すれば大丈夫だと考えています。
step1:原稿でストーリーを固める
まずは、想定質問とその回答をまとめた原稿を作成します。
Wordなど、後から修正しやすい形式がおすすめです。
想定質問の例については、以下の記事で詳しくまとめています。
時系列順に整理する
原稿を作り始めるとき、話の流れ順にまとめていくと回答を作りやすいです。例えば、
- なぜ今の大学に進学したのか
- なぜ今の環境に違和感を持つようになったのか
- なぜ編入という選択をしたのか
- なぜ〇〇大学・〇〇学部なのか
- 編入後に何を学びたいのか
- 将来どのように進みたいのか
といった時系列順に考えていくと、回答同士がつながりやすくなり、一貫したストーリーを作りやすくなります。
この段階では、多少文章が固くても問題はなく、まずは自分の考えをすべて書き出すことを優先することをおすすめします。
以下、一例として志望理由のストーリーのテンプレートを共有します。原稿作りに詰まった場合は参考にしてみてください。
志望理由の流れ(参考)
- 結論:私は〇〇を学ぶために貴学科を志望します。
- 過去:もともと〇〇を学ぶために現在の大学を選びました。
- 変化:〇〇を学んでいるうちに、〇〇という出来事がありました。その中で、特に〇〇に興味を持つようになりました。
- 課題:一方で、現在の環境では〇〇の観点(研究設備/分野/指導体制など)が不足しています。
- 必然性:貴学科の〇〇(研究室・カリキュラム)なら〇〇に取り組めると考えました。
- 行動:そのために〇〇(専門科目の学習、文献調査、学会参加など)を行ってきました。
- 将来:編入後は〇〇を深め、将来は〇〇に進みたいです。
自己分析を詰める
独学の場合、第三者のツッコミが入りにくい分、自己分析を自力で詰める必要があります。以下は、私が原稿を見直すときに意識していたチェック項目です。
自己分析チェックリスト
- 今の大学の不満を「悪口」にせずに説明できているか
- 「編入したい理由」が抽象ではなく具体的になっているか
- 志望校でしかできない学びが、研究テーマレベルで言えるか
- 将来像(院進・就職)が、学科選択とつながっているか
上記はあくまで一例ですが、家族の助言や生成AIなどを利用して、自分の回答を客観的に評価してもらうのも効果的です。
step2:声に出して話せる形にする
原稿ができたら、声に出して練習することをおすすめします。
頭の中では整理できているつもりでも、実際に話してみると、
- 詰まってしまう部分
- 長くなりすぎて伝わりにくい部分
- 自分自身が言いにくい表現
などがはっきり分かります。
丸暗記する必要はありません。しかし、話の流れが自然に出てくる程度までは、声に出して練習しておくのがおすすめです。
キーワードで話の流れを作る
私がやってよかったと感じるのは、文章を丸ごと覚えるのではなく、キーワードを頭に入れておく方法です。たとえば志望理由なら、
- 興味(何に惹かれたか)
- 今の環境の限界(なぜ足りないのか)
- 志望校の強み(どこが合うのか)
- 準備(何をしてきたのか)
- 将来(どうつなげたいのか)
このように「要点の順番」だけを押さえておくと、想定外の聞かれ方をしても立て直しやすくなります。
私は「原稿を見ながら話す → 徐々に原稿を見ずに話す」という形で少しずつ慣らしていきました。繰り返して練習するうちに、「原稿を読んでいるような棒読み」の感じが減り、だんだんと自分の言葉として話せるようになります。
step3:深掘りに備えて材料を足す
一通り想定質問への回答の練習が終わったら、深掘りされた場合に備えて資料を読み込みます。
面接では、口頭試問のように明確な点数がなくても、専門科目の知識や自身の考えについて聞かれる場合があります。実際、深掘りでよくあるのは次のような質問だと考えています。
深掘りされやすい質問例
- その分野のどこが面白いと思ったか?
- なぜその研究室のテーマを学ぶ上で重要だと思うことは?
- その論文の要点を簡単に説明して
- 関連として、〇〇という用語について知っているか?
こうした質問は、専門知識そのものというよりも、「どれだけ自分で調べて考えているか」が見られやすいと感じました。
もちろん、専門科目の筆記試験やTOEICなどの対策のほうが優先順位は高いと思うので、手が回る範囲で構いません。それでも、可能であれば
- 志望研究室の論文を数本読む
- 気になった用語を軽く調べておく
- 研究テーマを自分の言葉で説明できるようにする
といった準備をしておくと、本番での安心感がかなり変わります。
答えられないときの逃げ道も用意しておく
深掘り質問で詰まったときに大切なのは、無理に知ったかぶりをしないことだと思います。知らないことを「知っている」と嘘をついてしまうと、その後の質問でボロが出て余計に印象が悪くなります。
私が準備していたのは、
- どこまでは理解できているかを言う
- 分からないことは正直に認める
- 今後どう学ぶつもりかを示す
という流れです。たとえば、
「現時点では〇〇までは理解していますが、〇〇の点は分かりません。今後は〇〇の文献を読んで理解を深めたいです。」
このように答えれば、知識不足は少なくとも致命傷にはならないと思います。想定外の質問が来ても慌てず、素直に答えるようにしましょう。
まとめ
編入試験の面接は未知に包まれているので、とても緊張し不安になると思います。塾に通っていない独学者は尚更だと思います。
ただ、面接対策は才能や話術というよりも、手順を踏めば再現できる部分が多いです。
- Step1:原稿でストーリーを固める
- Step2:声に出して話せる形にする
- Step3:深掘りに備えて材料を足す
この3つを丁寧に積み上げれば、一貫したストーリーを組み立てて自然に話せるようになり、追加質問にも落ち着いて対応できるようになります。
この記事が、これから面接を控えている編入受験生の役に立てば嬉しいです。



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