編入の動機から逆算する志望校の選び方

編入試験

令和8年度の3年次編入試験で、神戸大学理学部化学科と東京農工大学工学部応用化学科に合格した地方国立大学生です。

編入試験の勉強を始めるにあたって、最初にぶつかる壁が志望校選びだと思います。 「どこを受ければいいのか分からない」「今の大学よりレベルの高いところに行きたいけれど、自分に合っているのか不安」という方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、編入試験における志望校の決め方(どの要素を重視して大学を選ぶべきか)について、私が実際に考えていたポイントも含めて解説します。

この記事が、「何から手をつければいいか分からない」「自分の編入の目的が定まっていない」という方の参考になれば嬉しいです。

あなたが最も重要視する基準は?

志望校を決めるにあたって一番大切なのは、「そもそも、なぜ自分は編入試験を受けたいのか?」という原点に立ち返ることです。

自分が大学を変えることで絶対に叶えたいことの優先順位を整理してみましょう。
以下の7つの項目は代表的な基準ですが、これらに基づいて自分が妥協できないポイントを洗い出し、大学をピックアップしてみてください。

基準①:学歴(ネームバリュー)

もし現在の大学で強い学歴コンプレックスに苦しんでいるなら、「できるだけ高い偏差値の大学を目指す」という選び方も合理的です。

極端な話、「学問の内容よりも、とにかく学歴を上げたい」という基準で志望校を選んでも、間違いではありません。その場合、まずは行きたい大学群(旧帝大や上位国公立など)から順番に「〇〇大学 編入試験」と調べて、試験科目や日程をリストアップしていくことになります。

ただし注意点として、理系の場合、最難関大学は「高専卒業見込みの者」や「学士取得者」に限定されており、一般の大学2年生には受験資格が与えられていないことがほとんどです。
また、例えば「工学部では大学2年生を受け入れているが、理学部では受け入れていない」ということも多々あるので、学部ごとに調べる必要があります。

募集要項の出願資格は必ず最初に確認してください。

さらに、近年は「募集要項から一般の大学2年生の受験資格を取り下げる」という変更を行っている大学もちょこちょこあります。

(例えば、R9年度以降は神戸大学工学部は電気電子しか受けられなくなります。建築学科、市民工学科、機械工学科、応用化学科では「大学に2年以上在学し、62単位以上を修得した者」という出願資格が削除されます。)

前年度の募集要項だけではなく、「お知らせ」のような最新情報の更新にも目を通しておいてください。

基準②:学問分野(やりたい研究があるか)

学校のネームバリューや学歴ではなく、「何を学ぶか」「どの研究室に入りたいか」ということを重視する選び方です。

実際に、「現在の大学で学んでいる内容にどうしても興味を持てず、専攻をガラッと変えるために編入を決意した」という受験生を見ることも多いです。

この基準で選ぶ場合、各大学のシラバスや研究室のホームページを読み込み、「自分が本当にやりたい研究ができる環境か」を調べることが必須になります。

私は実際に、長期休みを利用して志望校の研究室見学へ行きました。自分の学びたいことと合っているかということを確かめるには、実際に足を運んでみることもおすすめです。

基準③:留年への許容度(単位認定)

編入試験に合格しても、「前の大学で取った単位がどれだけ新しい大学で認められるか(単位認定)」によっては、3年次編入であっても留年する可能性があります。

留年をできるだけ避けたい人は、志望校選びの段階で以下の2つのアクションを起こしてください。

1. 単位認定の上限数を確認する
募集要項に「最大〇〇単位まで認定する」と書かれていることが多いです。もし記載がなければ、その大学の学生便覧などをネットで探してみてください。それでも見つからなければ、大学の教務にメールして直接聞いてみてください。この単位認定の上限が少ない大学ほど、3・4年生での必修科目が増え、留年するリスクが跳ね上がります。

2. 大学事務に直接問い合わせてみる
不安が強いなら、「過去に、編入学してすぐに単位不足で留年が確定した例はあるか?」とストレートに聞いてみるのも一つの手です。

ただし、明確な回答が得られるとは限りません。私自身、出願前にいくつかの大学事務へ実際に問い合わせました。 結果として、「皆さん心配されますが、そのような例はないですから安心して受験してください」と丁寧に回答をいただいた大学もあれば、「そのような質問には一切お答えできません」との回答だった大学もありました。

対応は大学によって様々ですが、入学後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐためにも、気になることは出願前に必ず自分の手で確認をとることを強くおすすめします。

基準④:過去問の傾向と自分の得意・不得意の相性

編入試験は、同じ学部学科でも、大学によって試験問題の傾向が全く異なります。

例えば英語一つをとっても、TOEICのスコア提出だけで英語試験が免除される大学もあれば、長文問題を筆記試験で課す大学もあります。

数学も、微分積分や行列の基本までしか出ない大学もあれば、さらに応用的な分野まで網羅的に出題される大学もあります。

また、当然ですが科目の数が増えるほど対策の負担が重くなります。

自分の得意な土俵で戦える大学を選ぶことが、合格率を最大化する最短ルートになります。

基準⑤:合格者の人数

「毎年何人の編入生を受け入れているか」も意外と重要な基準になります。

「毎年編入生を募集してるが、合格者は0か多くても1名」というパターンも多いです。受かるかどうかわからないという強い不安を抱えながら勉強することになるので、毎年一定数の編入生を確実にとっている大学の方が安心です。

また、入学後の学生生活を見据えたときにも問題が生じます。学科で1名しか編入生をとっていない場合、入学後に単位認定の手続きや研究室配属の情報戦で、頼れる仲間がおらず孤独な戦いを強いられるリスクがあります。

一方で、毎年10〜20名規模で編入生を受け入れている大学や、高専からの編入が盛んな大学は、編入生同士のコミュニティも形成されやすいため、入学後のストレスが少なくなります。

ネットで調べれば、毎年の受験人数や合格者数をまとめている資料が出てくると思います。ぜひ調べてみてください。

基準⑥:経済的負担

学費の負担を軽減するために、私立大学から国公立大学への編入を目指す人もいます。

私立大学は学費が高額になるため、3年次から国公立大学へ編入することで、残り2年間の学費や、その後の大学院までのトータルコストを大幅に抑えることができます。

経済的な面で言えば、学費だけでなく受験費用と新生活のコストも志望校選びの重要な基準になります。
国立大学の編入試験の受験料は約3万円ですが、複数校受けたり、交通費・宿泊費もかかったりするとなればそれだけで大きな出費です。
また、合格した後も、都市部へ引っ越す場合は家賃や生活費が地方と比べて大きく跳ね上がります。

経済的な面を重視する場合は、学費・受験費用・新生活のコストなども含めて今の環境よりも負担が軽減するかどうか考えてみることをお勧めします。

基準⑦:立地(就職や生活環境)

「将来は都会で働きたい」「行きたい企業へのアクセスが良い場所に住みたい」という気持ちがあるなら、大学の立地という観点も重要になります。

地方から首都圏や関西圏の大学へ編入することで、就職活動における企業説明会やインターンシップへの参加のハードルが圧倒的に下がります。拠点を移すことを前提に志望校を選ぶのも一つの手です。

まとめ:あなたの譲れない軸はどれですか?

編入試験は情報が少なく、特に独学で対策をするならば志望校選びから自分自身で全て行わなければなりません。

自分が絶対に譲れない軸をいくつか決め、そこから逆算して志望校を絞り込んでいってください。

目的が明確になればなるほど、苦しい勉強期間を乗り切るためのブレないモチベーションに繋がります。後悔のない志望校選びをして、最高のスタートを切りましょう!

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