令和8年度の3年次編入試験で、神戸大学理学部化学科と東京農工大学工学部応用化学科に合格しました。
この記事では、私が編入試験を意識し始めてから、志望校選び・英語対策・専門科目の勉強・過去問演習・面接対策・合格後まで、どのような流れで準備を進めたのかをまとめます。
編入試験について調べ始めたばかりの方は、
「何から手をつければよいのか分からない」
「いつまでに何を終わらせるべきか知りたい」
「独学でも間に合うのか不安」
と感じることが多いと思います。
私自身も同じように迷いながら進めてきましたが、振り返ると「最初に全体像を把握していたら、もっと効率よく進められた」と感じています。
そこでこの記事では、私が実際にたどった流れをもとに、編入試験対策のロードマップをできるだけ具体的に整理しました。
まず全体像をつかみたい方の参考になれば嬉しいです。
この記事で分かること
- 編入試験対策を始める前に決めておくべきこと
- 志望校選びをどう進めたか
- 英語・専門科目・過去問をどの順番で進めたか
- 面接対策をいつ始めたか
- 合格後にやるべきこと
私の受験結果と前提条件
- 合格校:神戸大学理学部化学科、東京農工大学工学部応用化学科
- 所属:地方国公立大学
- 専攻:化学系
- 勉強スタイル:基本は独学
- 英語資格:TOEIC880で提出(現在は935)
- 受験時期:R7夏(R8年度入学)
※ 私は化学系学科を受験したため、この記事も理系・化学系寄りの内容を含みます。ただし、編入準備の全体の進め方自体は他分野にも共通する部分があると思います。
結論:編入試験対策は「志望校決定→英語のスコア確保・専門の基礎→過去問→面接」の順で進めるのが基本
私のざっくりした流れ
- 春休み〜大学1年夏:TOEIC対策
- 大学1年夏:志望校の情報収集と基礎固め
- 大学1年夏〜大学1年冬:専門科目の学習
- 大学2年春休み〜試験直前:過去問演習と面接対策
- 合格後:入学手続き、編入後を見据えた学習
という順で進めていました。
私の場合は、編入試験を受けようと決めるよりも先にTOEICを勉強していたため、志望校決定と英語学習の時期が逆転しています。しかし、基本的には志望校のレベルや募集要項を見てから英語学習を始める形になります。
以下では、この流れをもとにして、時系列で説明します。
①最初にやったこと:志望校と受験条件の整理
編入試験対策を始めるにあたって、いきなりがむしゃらに勉強を始めてしまうのはあまりお勧めしません。なぜなら、編入試験では同じ学科でも出題範囲・出題形式・傾向などが大きく異なることがあるからです。
例えば、私の受けた2校の場合、以下のように試験方式や内容が異なっていました。
- 東京農工大学工学部応用化学科:英語(筆記)・数学(筆記)・化学(口頭試問)
- 神戸大学理学部化学科:英語(TOEIC提出)・化学(筆記)
専門科目は化学であり同じではありますが、有機化学・無機分析化学・物理化学のそれぞれのウェイトがかなり違いました。
よって、「編入試験を受ける」という曖昧な目標で勉強に取り掛かるのではなく、まずは志望校を決めることをおすすめします。
具体的には、各大学について次の点を確認しました。
- 出願条件
- 英語資格の提出が必要か
- 筆記試験の科目・配点
- 面接・口頭試問の有無
- 過去問の入手方法
- 募集人数
これらのことを曖昧にしたまま勉強を始めると、後で方向修正が必要になります。
まだ複数の大学で迷っている場合は、受験先の条件を一覧化して比較してみてください。
この作業をしておくと、勉強の優先順位がかなり見えやすくなります。
この段階でやってよかったこと
- 受験校ごとの情報を1つのメモや表にまとめたこと
- 英語資格の必要有無を早めに確認したこと
- 過去問が手に入るかどうかを早めに調べたこと
この段階での反省点
- もっと早く「どの大学を本命にするか」を明確にしてもよかった
- 併願戦略は早めに考えた方が勉強の無駄が減ると感じた
志望校選びや、併願校の組み合わせ戦略についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
②英語対策:早い段階で固めておいてよかった
編入試験では、英語資格の提出を求める大学が多くあります。
私の場合、英語は早めに対策しておいてよかったと強く感じました。
英語を早めにやるメリットは、直前期に専門科目へ集中しやすくなることです。
TOEICは何度でも受けられるためつい最高点を目指して引き伸ばしがちですが、編入試験で最も大事なのは専門科目の点数です。英語ばかりに気を取られて専門科目の勉強を後回しにしていると、かえって合格から遠のいてしまう可能性もあります。
英語は短期間で急に仕上がるものではない一方、早めに積み上げておけば後がかなり楽になります。
私が英語対策で意識していたことは、
- まず目標スコアを決める
- だらだら続けるのではなく、一定期間集中して伸ばす
という点でした。
私の場合以下のようなスケジュールと点数でした。
- 大学1年5月:805
- 大学1年7月:880
800点後半を目標にして取り組んでいたことや、TOEICよりも専門科目の方が合格のためには重視すべきと考えていたことから、これ以降は一切TOEICの勉強をしていません。
仮に目標点数を下回ったとしても、大学1年の夏で切り上げると決めていました。
英語は「いつかやる」もしくは「目標点数が取れるまでいつまでもうやる」ではなく、「この時期までに仕上げて切り上げる」と決めた方がよいと思います。
英語対策で重要だと感じたこと
- 目標スコアを定めて短期間で集中すること
- 専門対策が本格化する前にある程度固めること
TOEIC受験時期や勉強に関する具体的な方法は、以下の記事をご覧ください。
③専門科目の勉強:最初は広く、途中から志望校仕様に寄せた
編入試験の志望校を決めたら、過去問を見て一度解いてみることをおすすめします。
初見のうちは全然解けなくて大丈夫です。この段階で過去問に目を通す目的は、志望校が出している問題のレベル感や傾向を掴むことです。
私も志望校が決まってから過去問を解いてみましたが「問題の意味すら理解できない」ものばかりで、本当に致命的な状態でした。
そこで、専門科目についてはまず基礎の整理から入りました。編入試験では、大学ごとに出題傾向が違うとはいえ、基礎は共通していると考えたからです。
まずは、問題文の意味を正確に理解できるレベルになる必要がありました。
そのため、私の流れとしては、
- まず基礎事項を一通りさらう
- その後、志望校の過去問を見て頻出分野を確認
- 頻出分野に寄せて深く学習
- 過去問演習を重ねる
という順番でした。
このとき大事だったのは、全部を完璧にすることではなく、出やすい分野を優先することです。
編入試験は範囲が広いため、限られた時間の中では優先順位が重要になります。
独学で勉強していたため、自分の勉強法が合っているのか不安な状態が長く続いていました。そういうときは、過去問をチラッと覗いてみて、「あのときわからなかった問題の意味が理解できるか」ということを基準に自分の勉強を振り返っていました。
まだ過去問を解くレベルでなくても、「問題で問われている意味がわかる」レベルになっていれば、勉強の方向性としては問題ないと思います。
専門科目で意識したこと
- 基礎知識を疎かにしないこと
- 過去問を見て出題傾向を把握すること
- 出やすい分野に時間をかけること
- 解けなかった問題は、参考書に戻って理解し直すこと
※ 専門科目の詳しい勉強法や使った参考書は、別記事で個別にまとめる予定です。
④過去問演習を始めた時期とその使い方
過去問は、大学1年の春休み(試験本番の約4ヶ月前)に解き始めました。
過去問を解く時期は人それぞれだとは思いますが、試験前の最後の長期休みに取り掛かれるとベストだと考えています。
授業が始まってしまうとまとまった時間が取れなくなるため、演習・復習もセットで短期間でこなすために、私の場合は長期休みが最適な時期でした。
そして、過去問はただ解けばよいわけではありません。「何を知るために解くのか」を意識することが重要でした。
私にとって過去問の役割は、主に次の3つでした。
- 出題範囲を知る
- 自分の弱点を知る
- 本番での時間配分に慣れる
最初から高得点を取ることは目的ではなく、むしろ何が足りないかを知るために使っていました。過去問の点数よりも、その後の復習の方が重要です。
また、編入試験では解答が手に入りにくい大学もあります。
その場合は、教科書や参考書で調べながら自分なりに進める必要があります。
過去問演習で意識したこと
- 点数より分析を重視する
- 解けなかった問題の原因を分類する
- 解答がない場合でも、調べて再現できるようにする
- 時間を測って本番形式で解く
過去問の点数推移や、解答がない場合の対処法は別記事にまとめています。
過去問の復習法
過去問は、解いた後の復習がとても重要です。
解きっぱなしにしてしまうのではなく、必ず復習までセットで行うようにしてください。
過去問では、数年おきに似た形式や同じ分野の問題が出題されることも十分あります。
そのため、一度出題された問題は次に出たときには確実に解ける状態まで仕上げることが大切です。
復習の際には、特に次のような点を意識すると良いと思います。
- 間違えた問題を、自力で解けるようにする
- 答えだけでなく、導き方や考え方まで確認する
- 間違えた問題に似た問題を探して追加で解く
- 問題に出てきた理論や公式を、自分で説明・証明できるか確認する
- 曖昧な知識があれば、そのままにせず正しく説明できる状態にする
私は復習用に、過去問ノートという専用のノートを作り、繰り返し見直すようにしていました。
過去問演習は解く回数そのものよりも、復習の質の方が重要だと思います。
だからこそ、自分なりに復習内容を蓄積できる形を作っておくことをおすすめします。
過去問の復習についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
⑤面接対策:本番直前ではなく少し前から始めた方が安心
面接対策は、直前に一気にやるものと思われがち(私も少し対策が遅れてしまった)ですが、最低限の準備はそれより前に始めた方が安心だと感じました。
特に編入試験では、
- なぜ編入したいのか
- なぜその大学・学科なのか
- 入学後に何を学びたいのか
- 将来どうしたいのか
といった質問はかなり重要です。
これらは直前に慌てて作るよりも、早めに考えて何度か言語化しておく方がまとまりやすいです。
私の場合はずっと筆記対策が中心ではありましたが、面接で話す内容の軸は少し前から志望大学の研究室見学に行くことで整理してありました。
面接対策で重要だったこと
- 志望理由を一貫した流れで話せるようにする
- 学問に対する関心を言語化しておく
- 想定質問に対して、丸暗記ではなく要点で話せるようにする
- 志望校ごとに内容を微調整する
面接対策や頻出質問は、別記事で詳しくまとめています。
⑥勉強と大学生活を両立するうえで意識したこと
編入試験対策では、勉強法そのものよりも、継続できる形を作ることが大切だと感じました。私が意識していたのは、毎日完璧にやることではなく、生活の中に勉強を固定することです。
例えば、
- 朝に勉強する時間を固定する
- 編入の対策に集中できるような履修を組む
- 調子が悪い日でも勉強時間をゼロにしない
- 長期休みにやることを事前に決めておく
といったことを心がけていました。
編入試験は長い準備が必要なので、気合いだけに頼ると失速しやすいと感じました。
継続するために大事だったこと
- 1日の理想量より、続く仕組みを優先すること
- やることを細かく分けて着手しやすくすること
- 不安があるときほど、手を動かすこと
編入の対策と大学の成績を両立するための具体的な方法については、以下の記事にまとめています。
⑦合格後にやるべきこと
編入試験は、合格したら終わりではありません。
合格後から入学までの期間にも、やっておいた方がよいことがいくつかあります。
私自身、合格後は安心した気持ちもありましたが、実際には入学手続きや今後の生活準備など、やることが多いと感じました。
特に編入の場合は、一般入試で入学する場合とは少し違い、単位認定や履修の確認なども重要になります。
私が合格後に大切だと感じたのは、主に次の5つです。
1. 入学手続きを早めに確認する
まず最優先なのは、入学手続きに必要な書類や締切を確認することです。
せっかく合格しても、書類提出や入学金の支払いなどで不備があると取り返しがつかないことになるので、ここは最優先で動いた方がよいと思います。
2. 単位認定や履修の仕組みを調べる
編入後は、これまでの大学で取った単位がどの程度認定されるのかが気になると思います。大学や学部によって扱いが異なるため、単位認定について早めに確認しておくと安心です。
また、単位認定の結果によっては、編入後の時間割や卒業までの見通しも変わってきます。入学前の段階でシラバスや履修要項を見ておくと、入学後の不安がかなり減ると感じます。
入学手続きの詳細は、以下の記事にまとめています。
3. 引っ越しや住居など生活面の準備を進める
県外の大学へ編入する場合は、住居探しや引っ越し準備も重要です。
物件探し、通学時間、初期費用、生活費などは想像以上に影響が大きいため、学業面だけでなく生活面の準備も早めに進めるべきだと思います。
4. 英語や専門科目の勉強を完全には止めない
合格後は一度気が緩みやすいですが、入学後の授業や研究を考えると、勉強を完全に止めてしまうのは少し不安もあります。
私自身も、入学後に困らないよう、英語や専門科目に少しずつ触れ続けておいた方がよいと感じました。
5. 入学後にやりたいことを整理しておく
合格直後は「受かった」という達成感が大きいですが、その先に何をしたいのかを考えることも大切だと思います。
どの分野を学びたいのか、どんな研究室に興味があるのか、今後どのような進路を考えているのかを少しずつ整理しておくと、編入後の行動が早くなります。
合格後の準備は地味に見えますが、ここを丁寧に進めておくと、編入後のスタートがかなり楽になるのではないかと考えています。
編入は合格して終わりではなく、その後の環境変化にどう備えるかも大切だと感じました。
最後に:これから編入を目指す人へ
今振り返ると、編入試験対策でやっておいて良かったと感じるのは次の3点です。
これから編入を目指す人の参考になれば幸いです。
1. TOEICのスコアを早めに用意できたこと
目標スコアを決めたら、短期間で集中して取りにいく。
この進め方が結果的に一番効率が良いと感じました。
私自身が考える最も大きな合格要因は、TOEICのスコアを早めに用意したため専門科目に長期間全振りできたことだと考えています。
TOEIC対策と専門科目の勉強を並行して進めるのは想像以上に大変です。大学1年の夏頃は両立しようとしていましたが、結局専門科目の方はあまり手が回りませんでした。
「TOEICのスコアがまだ足りない」「そもそもまだ用意できていない」という不安があると、専門科目の勉強にも集中しづらくなります。
編入試験では、専門科目の配点が最も高いことが多いです。だからこそ、英語はできるだけ早めに片付けておくべきだと思います。
目標スコアを決めて、短期間で集中し取り組むことをおすすめします。
2. 勉強を維持するためにルールを作ったこと
私は試験本番の約1年前に編入試験を受けることを決心しましたが、周りの学生が大学生活をエンジョイし遊んでいる中で長期間の勉強を続けることはかなり苦しいです。
途中で怠けたくなったり、「もうやめようかな」と思ったりする時期が来るのは自然なことです。私自身もそういう時期がありました。
そこで私は、自分を勉強に向かわせるために、自分を縛るルールを作りました。
それは「毎朝7時半に学校に着き、19時まで残る」というシンプルなものです。時間割に関わらずこのルールを徹底して守り、図書館に籠ることで勉強時間を生み出していました。
ルールの内容は何でもいいと思います。大事なのは、気分ややる気に左右されずに動ける仕組みを作ることです。
私の場合は、疲れていたりやる気がない日でも図書館に残っていたことで「勉強するしかない」という環境を作り出していました。
やる気やモチベーションはもちろん大切ですが、それだけで長期間走り切るのは難しいです。だからこそ、できるだけ具体的・定量的なマイルールを自分に課すことをおすすめします。
3. 過去問を完璧にする
直前期の過去問演習は、合格に最も近づくための勉強だと言えると考えています。
基礎や応用の知識をある程度身につけた状態で過去問に取り組むと、志望校の出題傾向や難易度がはっきり見えてきます。勉強を始めたばかりの頃にはわからなかったことも、直前期にはかなり具体的に見えるようになります。
私が大事だと思うのは、
「過去問を解く → 復習する → 完璧に近づける」
というサイクルを繰り返すことです。
もちろん、過去問で高得点が取れれば安心できます。
ただ、たとえ思うような点数が取れなくても、必要以上に落ち込む必要はありません。
大切なのは、その後の復習でどれだけ吸収できるかです。
実際、私も直前に前年度の過去問を解いたとき、6割を切ってしまったことがありました。そんな状態でも合格することはできました。
過去問の点数が悪いと焦ってしまいがちですが、そこで気持ちを崩すよりも、復習に徹する方がずっと重要です。最後まで落ち着いて、できなかった部分を一つずつ潰していってほしいと思います。
編入試験は、情報が少なく、孤独になりやすい試験だと思います。
私自身も、最初は何から手をつければよいのか分からず、不安が大きい状態からのスタートでした。
ただ、全体像を整理し、やるべきことを順番に進めていけば、少しずつ道筋は見えてきます。
本記事を入口として、志望校選び・過去問・面接対策などをそれぞれ詳しくまとめたので、必要な部分から読んでいただけたら嬉しいです。













コメント